ヴァンパイア夜曲


『…私が町に帰った後。風の噂で、ベンタウン地域にある純血のヴァンパイアが住む城を一人の男が一夜にして滅ぼしたと聞いたの。…すぐに分かったわ。ローガスさまがやったんだって。…そして、町にはまるで定められていたかのように伝染病が蔓延して、みんな命を失っていった。ノースは臨終を迎える寸前まで、 “ローガスの呪いだ”なんて言っていたわ。』


ーーこれが、“薔薇の廃城”の真実。

“純血であったノースに罠に陥れられた恨み”からか、“極限の飢え状態で飲んだ血が純血であった”からか、それとも、“純血を飲むことで自らを純血に染め、恋人にふさわしい男になろうとした”からか。

ローガスが純血を求める理由は私には分からない。

だが、ローガスがスティグマでありながらも自我を持っているのは、その体にティアナさんの純血が流れているからなのだろう。

純血は、普通の血よりも濃い。少量飲んだだけだとしても、倍以上に力が出せる。

その時、翠の瞳を細めたランディが、静かに尋ねた。


「…それで、君がここにしばられている“未練”というのは、一体どういうことなんだい?」


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