ヴァンパイア夜曲
ここまできたら、最高のシュチュエーションで気持ちを伝え合って早いところ上手くまとまってほしいものだが、なんせお互い鈍いものだからまったく進展する気配がない。
色恋沙汰に聡いランディだからこそ、レイシアとシドの関係性がひどくもどかしく感じるのであった。
「…ったく。いっそのこと欲任せに押し倒しちゃえば早いのに…」
つい、ぽつり、と口から出た言葉に、シドがギロリ、とこちらを睨む。まるで“お前と一緒にするな”と言わんばかりのその瞳に、ランディは思わず眉を寄せた。
「…前から思ってたけど、よく好きな子を目の前にして何もせずにいられるね。血を吸われてる時とかさあ、そういう気分になったりしないの?」
「我慢してるに決まってんだろ…!あいつは俺のこと、なんとも思ってねえんだぞ…!」
「それ、本気で言ってる?もうっ、鈍いなぁ!君の友人として言うけど、そんなんじゃ、レイシアちゃんと一生平行線だよ…!どうせ、キスの一つもしてないんでしょ!」
「あ?!バカにすんな!キスはした!」
「え?」
「………!」
一瞬で目を輝かせるランディ。
シドの顔は言わずもがな。“しまった”一色だ。
「シド、今なんて?聞き間違いじゃないよね。」
「うるせー、忘れろ。お前と会う前の話だ。」
「ええっ!水くさいなあ!もったいぶらずに教えてよ!ちょっと、詳しく!」