ヴァンパイア夜曲
バキバキバキッ!!!!
「「!!」」
突然、部屋の外から大きな音が響いた。
すると、近くに生えていた立派な木の枝が折れると同時に、空からドォン!とバルコニーに“黒い影”が落ちてくる。
思わず目を見開いて外に視線を向けた瞬間。そこには、誰よりも会いたかった“彼”がいた。
ガラス越しに交わる視線。
私に詰め寄るタンリオットを見た瞬間、シドの瞳孔が、ガッ!と開いた。
ーーガシャン!!
バルコニーの窓を蹴破るシド。
そして、次の瞬間。突然の展開に思考が追いつかないタンリオットを、重い拳が殴りつけた。
ゴッ!!
歪む頰。
あまりの衝撃に吹っ飛ばされたタンリオットは、部屋のベッドの柵に体を強く打ち付けられる。
低いうめき声が聞こえると同時に、シドは銀色の銃口を彼の額に突きつけていた。
「…“俺の姫”に何触ってんだ…!頭ぶち抜くぞ…!!」
(…っ!)
その時、バルコニーに散乱した木の枝の山から、ひょっこりとランディが顔を出す。
「こら、シド…っ!ストップ!!撃ったら僕ら処刑だよ!!」
「…チッ!んなこと知るか…!」
「ち、ちょっと!!早まらないでぇ!」