ヴァンパイア夜曲
動揺したように揺れる碧眼。苛立つようにくしゃっ、と髪をかきあげたシドは、感情が溢れたように言い放つ。
「あぁ、ほんっとにお前はどこまで突っ走ったら気がすむんだよ!別に好きでもないくせに、あいつの嫁になって幸せになれるわけねえだろ!」
「な、なんで責められなきゃいけないの?!通行許可状がなかったら、樹海には進めないのよ?私は、シドとランディのためを思って…!」
「っ、バカ!嬉しくねえよ!!俺に相談もせずに一人で決めやがって…!!」
「私の人生なんだから、私が決めて当然よ。なんでいちいちシドに許可を取らなきゃいけないの?」
「あ…?」
ドスの効いたシドの声。
ハラハラこちらを見守るランディ。
ヒートアップした私は、もう止まらない。
「私はシドに血をもらっているけど貴方を縛っているつもりはないし、貴方のものになったつもりもないわ!」
「!」
次の瞬間、シドが大きく目を見開いた。
交わす言葉もなく、視線だけが重なる。
同時に、ぐいっ!と引き寄せられる腕。予想外の行動に止まる呼吸。
そして、距離がゼロになったことを理解した瞬間、彼が私の首元に顔を埋めた。