ヴァンパイア夜曲
ロザリオが壊れ覚醒した私。
ここで血まで吸ってしまったら、本当に戻れなくなる。
「バカ…!そんなこと言ってる場合か!このまま飢え続けたら、スティグマになるぞ!」
スティグマは、何らかの刺激で吸血欲を振り切らせた状態だ。
私を襲ってきたヴァンパイアの爪の痛みが蘇る。
(あんなのには堕ちたくない…!だけど、だけど…!)
本能と理性がせめぎ合う。
「怖い…っ、私、どうすれば…!」
「だから、俺の血を飲めと言ってるだろ!」
「でも、初めてだし…っ、上手く出来るか…」
次の瞬間。
やや強引な彼の腕が私を引き寄せた。
はっという呼吸と同時に重なる二人の唇。
一瞬で停止する思考。
息が漏れる隙間もなく、深い口づけが落とされた。
そして、彼の閉じられた碧眼がゆっくりとまぶたを上げた時。至近距離で交わった視線が私の心を震わせた。
「黙ってさっさと俺に溺れろ」