365日のラブストーリー
「幕末、山の手は外国人の居住地だったらしいです。そこに住む外国人の買い物をする場として元町商店街が発展した、というかんじですね」

「だから元町には外国人向けのお店が多いんですね。そうやって街の成り立ちがわかると、景色を見ているだけでも楽しそう。

建築はぜんぜんわからないですけれど、広い庭園のある洋館を見ると素敵だなあって。わたし、好きなんです。鎌倉文学館にも行ったことがあって。一回だけですけど」

「ああ、由比ヶ浜の。じゃあ気に入ってもらえるかもしれませんね。実は俺も昔一度行ったことがあります。ちょうど、三島由紀夫の春の雪を読んだあとに」

「すごい。実はわたしもそれが鎌倉文学館を知ったきっかけで。春の雪、いいですよね。惹かれ合うほどに、関係が複雑になっていくのが読んでいて切ないんですけれど、でも何か最後まで見届けないといけないような気がしてしまう小説でした。だから、あの物語の舞台がどんな場所だったんだろうって気になって」
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