365日のラブストーリー
「いえ……脳が喜んでいるようなかんじがします」
どんな大事な話をするわけでもない。それなのに、たわいのない話ひとつひとつが、いろいろなことを気付かせてくれる。何を話したらいいのかさえわからないというのに、もっとたくさんの時間を共有したくなる。
神長が言葉の続きを待つように、顔を覗き込んできた。視線から逃れようとして目を伏せたはずが、整った唇に意識が引きつけられてしまい、心臓が跳ねる。
「だから、あの。こうやってお話ができることがすごく嬉しいんですけど……ごめんなさい、いつも緊張して上手く話せなくて」
声が詰まってしまい、有紗は両手を自分の胸に当てた。
そのとき、突然神長の手が有紗の肩に触れた。
「少しこっちに」
引き寄せられて神長の方に一歩寄ると、ほのかなムスクの香りに包まれる。すぐ脇を自転車がすり抜けていった。振り返ると、母を追従しようと幼い子ども二人が必死にペダルを漕いでいる。
どんな大事な話をするわけでもない。それなのに、たわいのない話ひとつひとつが、いろいろなことを気付かせてくれる。何を話したらいいのかさえわからないというのに、もっとたくさんの時間を共有したくなる。
神長が言葉の続きを待つように、顔を覗き込んできた。視線から逃れようとして目を伏せたはずが、整った唇に意識が引きつけられてしまい、心臓が跳ねる。
「だから、あの。こうやってお話ができることがすごく嬉しいんですけど……ごめんなさい、いつも緊張して上手く話せなくて」
声が詰まってしまい、有紗は両手を自分の胸に当てた。
そのとき、突然神長の手が有紗の肩に触れた。
「少しこっちに」
引き寄せられて神長の方に一歩寄ると、ほのかなムスクの香りに包まれる。すぐ脇を自転車がすり抜けていった。振り返ると、母を追従しようと幼い子ども二人が必死にペダルを漕いでいる。