365日のラブストーリー
「行きましょうか」
 促されて、唇を横に引いたまま頷く。

 肩にはまだ引き寄せられたときの、神長の手の感触が残っている。たった一瞬の出来事なのに、それを忘れてしまいたくないと思っていることに気付く。

(どうしよう。一緒にいると、わたしどんどん神長さんのこと……)

 特別な何かがあったわけじゃない。それなのに側に居るだけで、想いは胸の内を鮮やかに染めていく。一体これにどうやって抗えばいいのか、有紗には見当もつかなかった。



< 147 / 489 >

この作品をシェア

pagetop