365日のラブストーリー
ここに着くまでに二つの西洋館を見学してきたが、神長は他同様に、この建物にも詳しかった。
この建物が移築された経緯から家具の話に移ったころ、彼の話に耳を傾けようと老夫婦が側にきた。有紗のとなりで感心したように頷いている。
「じゃあこれはずっと昔からこの家で使われていた家具、というわけじゃないのね」
「関東大震災後から昭和初期までのあいだに、元町で作られていた家具を復元したものです。横浜家具というのですが」
神長は有紗と老夫婦に視線を投げかけた。
「聞いたこと、ないかもしれません」
有紗は首を傾げた。
「山の手に移住してきた外国人たちは、はじめは船で家具を運んできたんです。当時はテーブルも椅子も一般家庭の間では普及していませんでしたが、職人たちは西洋家具の修理を請け負いながら、まだ知らない技術を学んでいったらしいです。
そういった修理が元で、これまで欧米にはない発想で家具を作るようになっていったのですが、山の手に住む外国人たちにとても人気があったみたいですよ」
この建物が移築された経緯から家具の話に移ったころ、彼の話に耳を傾けようと老夫婦が側にきた。有紗のとなりで感心したように頷いている。
「じゃあこれはずっと昔からこの家で使われていた家具、というわけじゃないのね」
「関東大震災後から昭和初期までのあいだに、元町で作られていた家具を復元したものです。横浜家具というのですが」
神長は有紗と老夫婦に視線を投げかけた。
「聞いたこと、ないかもしれません」
有紗は首を傾げた。
「山の手に移住してきた外国人たちは、はじめは船で家具を運んできたんです。当時はテーブルも椅子も一般家庭の間では普及していませんでしたが、職人たちは西洋家具の修理を請け負いながら、まだ知らない技術を学んでいったらしいです。
そういった修理が元で、これまで欧米にはない発想で家具を作るようになっていったのですが、山の手に住む外国人たちにとても人気があったみたいですよ」