365日のラブストーリー
「そういえばこういう部屋があるおうち、やっぱり日本ではあんまりないですよね?」

「日本式のサンルームは増築型がほとんどですからね。ベランダに屋根をつけてスペースを有効利用する、というような目的ですし。海外のサンルームのように建築する段階から組み込まれることはあまりないですね」

「わたし、こっちのほうがいいなあ。こんな風にガラスがたくさんだとお掃除も大変でしょうけど。でもここで家族やお友達と紅茶を飲んだり、のんびり本を読んだりとか、ゆったりとした時間を楽しめたらいいな、なんて。そんなことよりも、現実をよく見ろってかんじかもしれませんけれど」

「相手次第じゃないですか? 同じような感覚でサンルームを好きな人がいるかもしれませんよ」

(きっと、神長さんは好きだよなあ。サンルーム)

 有紗はただ冬の庭に目を向けるふりをして、窓ガラスに反射する神長の姿を見つめた。ヒールを履いているのに身長差はあまり埋められていない。顔のサイズは神長のほうが小さいくらいだ。
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