365日のラブストーリー
「神長さん、ちょっといいっすか」
聞き覚えのある声がして、有紗は振り向いた。システム課からこちらに向かってくるのは、千晃だ。
スーツ姿のほうが顔立ちのきつさが和らぐように感じるかと思えば、そんなことはない。向けられる目はいつになく鋭いような気さえする。
「さっきやってたところで、今ちょっと見てもらいたいところがあるんです」千晃が立ち止まる。
「それじゃ」と、有紗に会釈をして神長が戻っていく。
「あの、ありがとうございました!」
有紗は仕事付き合い以上のことは何もないと主張するように、声を張り上げた自分にがっかりしてしまった。神長との距離を自ら遠ざけてしまったようで。
これは誰のことを好きだとか、そういう話ではない。素敵な人と言葉を交わして、普段の生活にちょっとした潤いをプラスしたい。
ただそれだけのことが許されなかったら、張り合いがなくなってしまう。水の中から顔を出して、ときどき息をしたいだけなのに、頭を押さえつけられているような感覚だ。
聞き覚えのある声がして、有紗は振り向いた。システム課からこちらに向かってくるのは、千晃だ。
スーツ姿のほうが顔立ちのきつさが和らぐように感じるかと思えば、そんなことはない。向けられる目はいつになく鋭いような気さえする。
「さっきやってたところで、今ちょっと見てもらいたいところがあるんです」千晃が立ち止まる。
「それじゃ」と、有紗に会釈をして神長が戻っていく。
「あの、ありがとうございました!」
有紗は仕事付き合い以上のことは何もないと主張するように、声を張り上げた自分にがっかりしてしまった。神長との距離を自ら遠ざけてしまったようで。
これは誰のことを好きだとか、そういう話ではない。素敵な人と言葉を交わして、普段の生活にちょっとした潤いをプラスしたい。
ただそれだけのことが許されなかったら、張り合いがなくなってしまう。水の中から顔を出して、ときどき息をしたいだけなのに、頭を押さえつけられているような感覚だ。