365日のラブストーリー
「すみませんでした、わたしのために」
「いや、当然だからこれくらい。会社休むようなら、また明日何か買ってくる」

 もう一度有紗の身体を抱きしめて、それから千晃は行ってしまった。



 宇美の勧めで翌日も仕事を休むと、どこからその情報を手に入れたのか、千晃からメッセージが届いた。昨日一度話をしているせいか、もうそれを無視する気にはなれなかった。

 たわいのないやりとりを何度も繰り返しているうちに、心に建てた壁が少しずつ崩れていく。昼休みには心暖との日常を聞きながら、これまでにないくらいたくさん話をした。夕方になって千晃が自宅を訪れてきたとき、今日一日ずっと会っていたような錯覚を起こすほどに。

「有紗ちゃん」

 腕の中で千晃の想いを切々と感じて、有紗は顔を上げた。気持ちを真っ直ぐ受け止めようとしていることが伝わるのか、千晃は顔を綻ばせた。
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