365日のラブストーリー
 たった一日メッセージのやりとりをし続けただけなのに、心の中に温かな気持ちが始めていたのは確かだった。

もしこの勢いのまま「好きです」と言えたら、千晃は飛び上がるほど喜んでくれるだろう。容易に想像はつくというのに、今それを口にしたら嘘になってしまうような気がして、言えなかった。

 心の中の引っかかりがあまりにも多すぎる。
 神長はいまどうしているのだろう。池袋からタクシーで送ってもらったあの日話したのを最後に、一度も連絡がない。

「なんか有紗ちゃん痩せたような気がする」
「そうですか?」

「このへんとか」
 指で豪快に脇腹を掴まれて、有紗はのけぞった。

「このまま胸までなくなったら嫌だな」
「森住さんは……、いったいわたしのどこが好きなんですか?」

「全部」
 同じ質問を返されてしまうかもしれないと思い立ち、先回りして答えを探していたが、千晃は何も訊いてこなかった。
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