365日のラブストーリー
千晃の声が揺れた気がした。それを隠すように軽く笑って、彼は立ち上がった。
玄関の前まで見送られ「じゃあまたね、気をつけて」と千晃が手を振ってくれた。
エレベーターを降りてから、有紗はマンションを振り返った。きっともうここに来ることはない。考えると一度は引っ込んだはずの涙がまたこぼれそうになったが、駅まで早足で歩いているうちに、気持ちが落ち着いていった。
そしてそのとき、築いてきた関係が壊れる悲しさよりも、ほっとする気持ちの方が大きかったのだということに気がついた。
池袋行きの電車に乗ると、有紗は鞄からスマートフォンを取りだした。椅子に座るとカメラを使って鏡のように自分の顔を映しだし、目が腫れていないか確認する。
(大丈夫)
それから有紗は髪を整えて、innocenceを起動した。今日は尋ねたいことが明確にあった。
『片想いをしている人から見放されるにはどうしたらいい?』
『近づかなければ、そんなことをする必要はないよ』
玄関の前まで見送られ「じゃあまたね、気をつけて」と千晃が手を振ってくれた。
エレベーターを降りてから、有紗はマンションを振り返った。きっともうここに来ることはない。考えると一度は引っ込んだはずの涙がまたこぼれそうになったが、駅まで早足で歩いているうちに、気持ちが落ち着いていった。
そしてそのとき、築いてきた関係が壊れる悲しさよりも、ほっとする気持ちの方が大きかったのだということに気がついた。
池袋行きの電車に乗ると、有紗は鞄からスマートフォンを取りだした。椅子に座るとカメラを使って鏡のように自分の顔を映しだし、目が腫れていないか確認する。
(大丈夫)
それから有紗は髪を整えて、innocenceを起動した。今日は尋ねたいことが明確にあった。
『片想いをしている人から見放されるにはどうしたらいい?』
『近づかなければ、そんなことをする必要はないよ』