365日のラブストーリー
3
路肩に残る雪を踏みしめながら、制服姿の小学生たちが駆けていく。約束の時間の大分前から、有紗は元町にいた。
先日降った雪の名残が足元から冷気を運んでくるのか、晴れているのに気温が上がってこない。気がつけばもう二月も半ばになろうとしている。
バレンタイン仕様に飾り付けされたショーウインドウを眺めながら、いつもだったら一年のうちでいちばん楽しい時期になるはずだったのに、とため息を落とす。
都内のデパートに世界の有名ショコラティエのショップが集まる時期だ。様々なブランドの新作が試せるチャンスで、その中から見つけたお気に入りを友人に送るのが毎年恒例の行事だが、今年は下見すらしていない。
「チョコかあ……。お父さんとお母さんには送らなきゃなあ」
霧笛楼という洋菓子店の前で足を止め、有紗はため息を吐き出した。そういえば以前神長とこの店の前を通ったときに、『横浜煉瓦』というフォンダンショコラがとても有名だと教えてくれた。
路肩に残る雪を踏みしめながら、制服姿の小学生たちが駆けていく。約束の時間の大分前から、有紗は元町にいた。
先日降った雪の名残が足元から冷気を運んでくるのか、晴れているのに気温が上がってこない。気がつけばもう二月も半ばになろうとしている。
バレンタイン仕様に飾り付けされたショーウインドウを眺めながら、いつもだったら一年のうちでいちばん楽しい時期になるはずだったのに、とため息を落とす。
都内のデパートに世界の有名ショコラティエのショップが集まる時期だ。様々なブランドの新作が試せるチャンスで、その中から見つけたお気に入りを友人に送るのが毎年恒例の行事だが、今年は下見すらしていない。
「チョコかあ……。お父さんとお母さんには送らなきゃなあ」
霧笛楼という洋菓子店の前で足を止め、有紗はため息を吐き出した。そういえば以前神長とこの店の前を通ったときに、『横浜煉瓦』というフォンダンショコラがとても有名だと教えてくれた。