365日のラブストーリー
時間もあるから、実家への発送の手配だけしておこうか。悩みつつ、店の前をうろうろしていたけれど、実際の味がわからないのが気になる。我が家の鉄板フォンダンショコラといえば千疋屋だ。それとどう違うのかを自分の舌で確かめなくては。
(でも試食用にそれを買って、紙袋ぶら下げながら歩くのも、なんだか暢気だよなあ。これからフラれに行くのに)
悩みながら小売りのものがないか店内を覗くと、ショーケースの前は人だかりだ。有紗は買い物客の中に見覚えのある後ろ姿を見つけて、思わず店の前を離れた。
(神長さんだ)
もう一度そっと盗み見る。今日も仕事だったのか、スーツとテーラードコートだ。グレーのマフラーに口元が埋もれているが、見間違えるはずがない。
有紗は店の前から逃げ出して、西洋館のほうへ向かった。
どうせもう少ししたら会って話をすることには変わりないが、心の準備がまだ出来ていない。
(でも試食用にそれを買って、紙袋ぶら下げながら歩くのも、なんだか暢気だよなあ。これからフラれに行くのに)
悩みながら小売りのものがないか店内を覗くと、ショーケースの前は人だかりだ。有紗は買い物客の中に見覚えのある後ろ姿を見つけて、思わず店の前を離れた。
(神長さんだ)
もう一度そっと盗み見る。今日も仕事だったのか、スーツとテーラードコートだ。グレーのマフラーに口元が埋もれているが、見間違えるはずがない。
有紗は店の前から逃げ出して、西洋館のほうへ向かった。
どうせもう少ししたら会って話をすることには変わりないが、心の準備がまだ出来ていない。