365日のラブストーリー
 神長の言う好きとは、どんな種類の好きなのだろう。坂巻を慕う気持ちがなくなってしまったとも思えない。

(友達としての、好き?)

 混乱する有紗に、神長はベンチを勧めた。腰を下ろすと神長は有紗の首元からストールを外して膝にのせ、マフラーを首に巻いてくれた。生地は薄いが、肌に触れた瞬間に温かさを感じる。神長の香りに包まれていると心が落ち着いた。

「俺のことが知りたいですか」
 じっと見つめられて、有紗は頷いた。

「俺もあなたのことを知りたいです」
 その目線から感じる熱に、『手っ取り早く相手を知る方法』それは身体を結ぶことだと、以前さらりと言われたそれを思い出し、有紗はマフラーに顔をうずめた。

 千晃と関係を持ったあの日からもう三週間。身体を貫かれる痛みはまだ忘れられずにいる。回数を重ねればほんとうに変わるものなのだろうか。

でもそれは何回目? 暗い気持ちになりかけたとき右手を取られて、早とちりを恥じながらそっと握り返す。
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