365日のラブストーリー
『今晩、森住さんたちと食事に行くときに、無理矢理にでも神長さんのことも誘ってみてください。きっと神長さん、坂巻さんとたくさんお話したいと思うんです』

 離れていた分の時間を取り戻すには一晩では足りないが、ないよりはいい。

(わたしは今日会えなくても、有給をもらった分があるし。丸一日以上一緒にいられるんだから、ひとりで欲張ったらだめだよね)

 吹き抜けの天井から差し込む日差しに、空を見上げる。日本とはまるで違う深い青。同じ空の下に神長もいると思えば、あと少し我慢できるはずだ。

『了解』
 話をしている最中なのか、返信は短い。有紗はスマートフォンをしまって立ち上がった。

「よし、買いものの続きだ」
 今日は思い切りショッピングをして、ひとり旅を目一杯満喫しよう。有紗は気を取り直すように店内に戻っていった。



 海を見に行くはずだったのに、油断した。ホテルに戻って一瞬だけ横になったはずが深い眠りについてしまい、気づけば窓の外は陽が沈みかけていた。

 スマートフォンで時間を確認すると、神長と約束した時間をとっくに過ぎている。坂巻からはメッセージが届いているが、彼からは一つも連絡がない。
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