365日のラブストーリー
「神長さん、やっぱりわたし神長さんのことが好きです。知らない一面を見つけるたびに、どうしようもなく恋に落ちてしまって」

「そんなことを言ったら、あなたは一年後大変なことになっていると思いますが」
「覚悟はあります。神長さんのことを好きになったときから」

「付き合いませんか。恋人として」
 それはあまりも柔らかな口調で、有紗は聞き流してしまいそうになった。足を止めると、行き交う人たちが視線を投げてくる。

「恋人なんて肩書きだけだ、と感じさせてしまうかもしれません。俺の中で、仕事や趣味、友人、家族とパーセンテージにして振り分けたとき、恋愛はそれほど大きなウェイトを占めているとは言いがたいので」

「でも、神長さんの身体には何人分もの人間が入っているような状態なので、恋愛が二十パーセントくらいしかなかったとしても、十倍くらいになるはずで、ええと……」

「計算はもういいです。……綿貫さん。俺と恋人になったとして、何かが変わりますか?」
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