365日のラブストーリー
「そうですか? わたしにはとっても美味しいです」
「それなら良かったです。まきさんには明日あらためてお礼のメールを送っておきます」

 外向けの肩書きは恋人に昇格したけれど、神長との関係はなにも変わらない。有紗にとってはそれが心地よかった。
 グアムに来てからどんなことをしていたのかを話しているうちに、ボトルが一本空いてしまった。

(……一緒にお泊まりははじめてで、緊張するかと思ったけど、意外と大丈夫かも)
 いつのまにか恋人という肩書きが、不安ではなく安心感をもたらすものになっていたらしい。

(神長さんが時間をかけて、怖いと思うわたしの気持ちを変えてくれたんだ)
広い肩に頭をもたせかけると、

「少しは甘えやすくなりましたか?」
 耳元で囁かれて有紗は慌てて頭を起こした。
「ごめんなさい、つい」
 頬が熱を帯びていく。

 神長は有紗の手からワイングラスを受け取って、ベッドサイドのテーブルに置いた。
「疲れているでしょう、今日はもう休みましょうか」
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