365日のラブストーリー
 肌を重ねると、その人がわかる。セックスは相手を手っ取り早く知るための手段なのだと、神長は以前言っていた。けれども有紗には、彼がそんな風に簡単に誰かを抱くような人だとは思えなかった。

 誠実な人だ、きっと誰よりも。
 有紗は身体を起こして、自分からワンピースを取り払った。コンプレックスの塊のような身体を、自らの両腕で抱く。

「いつも着痩せするお洋服を選んでたけど、わたし、ほんとうはこんなで。もうちょっと綺麗になってからだったら、自信も持てたかもしれないけど。……間に合いませんでした、ごめんなさい」

「腕を下ろしてみてください」

 言われるがままに腕を下ろす。何を着ても太って見えてしまう邪魔な胸、かろうじてくびれらしきものはできたけれど、薄さとは縁遠い腹部。これを見て何を思うだろうか。自分から晒したというのに、恥ずかしさがこみ上げる。

「綺麗ですよ、隠さなくても」
「うそ」
 有紗はワンピースをかき抱いた。
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