365日のラブストーリー
6

 新年度になり、人事部の仕事も三年目に入った。仕事終わりの宇美との面談では、ここ一ヶ月で精神的にずいぶんとしっかりしたと驚かれた。恋が仕事にいい影響を与えているらしいということは、有紗自身も実感している。

「それではお先に失礼します」
「はーい、がんばってこいよー」

 宇美から手を振られて、有紗は頭を下げた。

 早々に帰り支度をしてから化粧室に寄ってメイクを直し、オフィスカジュアルの仕事着からレトロフラワープリントのワンピースに着替えた。貴重品を小ぶりのバッグに詰め替えて、アフターファイブの準備は万端だ。

 有紗は化粧室を出ようとして足を止め、出入り口の壁にある、姿見に全身を映した。

(あああ、やっぱり。前にこのワンピース着たときよりもふくらんでる)
 腹部の厚みにうなだれる。懸命に息を吸い込んで、へこましたときにようやく前と同じくらいだ。

(でも、どうにかこのワンピースが着られただけでよしとしなきゃね)
 有紗は鏡の中の自分に笑いかけた。
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