365日のラブストーリー
「えっ」
「やっぱり素敵な人とお付き合いすると磨かれていくのね。大事にされていそうで、羨ましいわ」
 それから彼女はバッグから封筒を取りだした。

「遅くなってしまってごめんなさいね、これをずっとあなたたちに渡したいと思っていて」

 有紗は促されて封を切る。何枚かの写真が入っていた。いつか、元町の西洋館でカメラが趣味の永田に撮ってもらったものだ。いちばん上にあったのは神長と並んで撮った、サンルームでのツーショットだった。

 距離感に緊張しすぎてうまく笑えていない有紗の隣で、神長はやわらかな笑みを浮かべている。
 あのときは自分のスマートフォンでも撮ってもらったのに、神長との関係をもう終わりにしようと決めた日に消してしまった。手放したはずの想い出が戻ってきたようで、胸がじんとなる。

 二枚目の写真はいつの間に撮られていたのか、ふたりで窓から景色を眺めながら笑い合う姿だ。

「ほらかわいく撮れているでしょ、この写真。お互いに惹かれあってるんだなっていうことが、横顔にも現れていて」
 幸せそうに笑う自分の顔を見て、有紗はくすぐったい気持ちになった。
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