365日のラブストーリー
「泊まったのがとっても素敵な別荘だったんです。海がすぐ目の前で、夜になると星がとっても綺麗なところで。中心地からは外れているので、レンタカーがないとダメなんですけれど」

「へえ、それはなんていうところ?」
 永田から訊かれて、神長はスマートフォンで宿の名前を見せている。

「学生の頃からときどき利用していた隠れ家なんですけれど、今回は色々あって仕事仲間が押しかけてきまして。賑やかな旅行になりました」
 友人たちの顔を思い出しているのか、神長は頬を緩めた。

「有紗ちゃんと二人きりでのんびり、というわけじゃなかったのか」
「わざわざ日本から会いに来てくれたのに、有紗をどこにも連れて行ってあげられなかったので、次は車でいろいろ巡ってみようかと思ってるんですが」

「そういえば、わたしたちもグアムって行ったことないような気がするわね」
 絵津子は記憶を遡っているのか、視線を天井に向けた。

「じゃあ、絵津子さんたちもぜひ一緒にどうですか? ほんとうにとっても素敵な場所なんです」
 有紗が提案すると、何がおかしかったのか神長が俯いて肩を揺らした。
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