365日のラブストーリー
高校までは男女交際禁止どころか、父親以外の男性と外を歩くことすら許されない、規律の厳しい女子校にいた。大学も女子大に進学し、異性の友人もいなかった。そういう育ちの娘が突然恋人の話をするのだから、両親が不安になる気持ちもよくわかる。
事情を話すと神長は快諾してくれたが、付き合っている相手の実家にいくのは初めてのようだ。
なにか地元のものを、とお菓子好きの両親のために、彼は手土産まで用意してくれた。ドライブ中、味見用に買ってきてくれたものをもらったのだが、それが感動するほど美味しかった。
あじさいという名前のお菓子だ。カステラを圧縮したような上品な甘さで、せんべいのようにしっかりした歯ごたえがある。これを食べたらきっと母は休日に、友人に配るためのものを鎌倉まで買い求めに行くに違いなかった。
「ため息がこぼれるほど心配ですか?」
ハンドルを切りながら、いつもと変わらない涼しげな顔で神長が言った。
事情を話すと神長は快諾してくれたが、付き合っている相手の実家にいくのは初めてのようだ。
なにか地元のものを、とお菓子好きの両親のために、彼は手土産まで用意してくれた。ドライブ中、味見用に買ってきてくれたものをもらったのだが、それが感動するほど美味しかった。
あじさいという名前のお菓子だ。カステラを圧縮したような上品な甘さで、せんべいのようにしっかりした歯ごたえがある。これを食べたらきっと母は休日に、友人に配るためのものを鎌倉まで買い求めに行くに違いなかった。
「ため息がこぼれるほど心配ですか?」
ハンドルを切りながら、いつもと変わらない涼しげな顔で神長が言った。