365日のラブストーリー
「いえ、そういうわけじゃないんですけれど」
紺のジャケットにライトグレーのカットソーを合わせてカジュアルダウンしているが、どんな服を着ていても、神長の目力の強さや、纏っている特別なオーラは隠せない。
見とれてしまうほど姿形が整っていて、頭の回転が速く、誰よりも気遣いができる人だからこそ、不安だった。『彼ならいくらでも相手は見つかるだろう。有紗は騙されているんじゃないか』そんなふうに、逆に両親を不安にさせる気がしてならないのだ。
けれども、完璧すぎるからこそ疑わしく思われるかもしれないとは神長に言えない。有紗は笑顔で誤魔化すしかなかった。
「あ、右前にあるクリーム色の建物がわたしの実家です。少し先にコインパーキングがあるので、そこに止めてもらえれば」
いったん家の前を通り過ぎると、リビングの窓から険しい表情で外のようすを窺っている父親と目が合った。有紗は時計を確認する。まだ約束した時間よりも三十分も早いというのに、ずっと待ち構えていたのだろうか。
紺のジャケットにライトグレーのカットソーを合わせてカジュアルダウンしているが、どんな服を着ていても、神長の目力の強さや、纏っている特別なオーラは隠せない。
見とれてしまうほど姿形が整っていて、頭の回転が速く、誰よりも気遣いができる人だからこそ、不安だった。『彼ならいくらでも相手は見つかるだろう。有紗は騙されているんじゃないか』そんなふうに、逆に両親を不安にさせる気がしてならないのだ。
けれども、完璧すぎるからこそ疑わしく思われるかもしれないとは神長に言えない。有紗は笑顔で誤魔化すしかなかった。
「あ、右前にあるクリーム色の建物がわたしの実家です。少し先にコインパーキングがあるので、そこに止めてもらえれば」
いったん家の前を通り過ぎると、リビングの窓から険しい表情で外のようすを窺っている父親と目が合った。有紗は時計を確認する。まだ約束した時間よりも三十分も早いというのに、ずっと待ち構えていたのだろうか。