365日のラブストーリー
「有紗さんを見ているだけでも、優しいご両親だということがわかります。沢山の愛情を受けて大事に育てられていたということも。素敵なご家族ですね」
神長が声をかけると、父はぐっと唇を横にひいた。
「当たり前のことしかしてないと思うんだけどね」と照れ笑いする母の横で、父が声を殺したまま泣き出してしまった。
「ちょっとやめなさいよ、お父さん。恥ずかしい、泣いてばっかりじゃない。さっきもどうせ嬉しくて泣いてたんでしょ。お父さん、廉さんにちゃんとさっきの返事をしてあげて」
母に急かされて、父は神長に向き直った。
「……有紗のことをよろしくおねがいします」
どうにか声を絞り出すと、神長は椅子から立ち上がって深々と頭を下げた。
昼食を終えてしばらくしたら実家をあとにするはずだったが、午後のお茶が長引いて、その流れで夕食に寿司の出前を取ったが最後だった。有紗の意志に反して実家に一泊していくことになった。
たまには親孝行もいいんじゃないですか、と言ってくれた神長の言葉に甘えてしまったが、父は酒の勢いで彼を質問攻めにして、苦笑いさせていた。
神長が声をかけると、父はぐっと唇を横にひいた。
「当たり前のことしかしてないと思うんだけどね」と照れ笑いする母の横で、父が声を殺したまま泣き出してしまった。
「ちょっとやめなさいよ、お父さん。恥ずかしい、泣いてばっかりじゃない。さっきもどうせ嬉しくて泣いてたんでしょ。お父さん、廉さんにちゃんとさっきの返事をしてあげて」
母に急かされて、父は神長に向き直った。
「……有紗のことをよろしくおねがいします」
どうにか声を絞り出すと、神長は椅子から立ち上がって深々と頭を下げた。
昼食を終えてしばらくしたら実家をあとにするはずだったが、午後のお茶が長引いて、その流れで夕食に寿司の出前を取ったが最後だった。有紗の意志に反して実家に一泊していくことになった。
たまには親孝行もいいんじゃないですか、と言ってくれた神長の言葉に甘えてしまったが、父は酒の勢いで彼を質問攻めにして、苦笑いさせていた。