365日のラブストーリー
「これ以上、傷つけられないように?」
「……なんか不思議ですね」

「ん?」
「過去に起きてしまったことは変えられないけれど、もしかしたらずっと嫌だと思っていたことも、違う考え方を知ったら、いやな思い出じゃなくなるのかもしれないなって。廉さんと今話していて思いました」

「……そうかもしれません」
 それから神長は黙り込んだ。振り返ろうとすると、彼の腕がそれを拒んだ。

 こうやって顔を見せようとしないとき、どんなことを考えているのだろうと、有紗はいつも思いを巡らせるのだが、いつも詮索はしなかった。どんな神長のことも愛せるのならば、それが何であっても構わないと思う気持ちがあるからかもしれない。

 彼がそうやってまるごと受け入れられることを、心地よく感じてくれているのだということが、今はなんとなくだがわかる。

 有紗は胸のすぐ下に回されている、彼の腕に触れた。
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