365日のラブストーリー
特別なものを持った人だから、そのままでいたら周りには馴染めない。他者のことをよく見て、統計的に分析し、誰にでも合わせられるスキルを身につけたのは、そのためだったのではないだろうか。
子どもの頃は生きるためでも、今は少し理由が違うのではないかとも思う。人を深く理解しようとするのは神長の優しさだとも思うが、彼に言えば単なる生物学的な興味だとでも言うだろう。
生物学的な興味というだけならば、今日だって父を笑顔にするような言葉を選ぶ必要もないし、母が張り切って頼みすぎた寿司を無理して食べる必要もないのに。
「いま、何を考えていますか」神長が訊いてきた。
「廉さんが子どもの頃のことを考えていたんです。それで、好きだなあって」
「話を聞いてもいないのに? 不思議な人ですね」
「わたしはきっと、子どもの頃に廉さんと会っても、惹かれたんだろうなあ」
「……ここは、鳥の話に戻すべきですかね」
「わたし、知ってるんですからね。いつも褒められたり感謝されたりしても、当たり前のことをしただけだ、みたいにさらっと受け流してるけど、それってクールなわけじゃなくて、ほんとうはすごく恥ずかしがり屋だからってこととか」
子どもの頃は生きるためでも、今は少し理由が違うのではないかとも思う。人を深く理解しようとするのは神長の優しさだとも思うが、彼に言えば単なる生物学的な興味だとでも言うだろう。
生物学的な興味というだけならば、今日だって父を笑顔にするような言葉を選ぶ必要もないし、母が張り切って頼みすぎた寿司を無理して食べる必要もないのに。
「いま、何を考えていますか」神長が訊いてきた。
「廉さんが子どもの頃のことを考えていたんです。それで、好きだなあって」
「話を聞いてもいないのに? 不思議な人ですね」
「わたしはきっと、子どもの頃に廉さんと会っても、惹かれたんだろうなあ」
「……ここは、鳥の話に戻すべきですかね」
「わたし、知ってるんですからね。いつも褒められたり感謝されたりしても、当たり前のことをしただけだ、みたいにさらっと受け流してるけど、それってクールなわけじゃなくて、ほんとうはすごく恥ずかしがり屋だからってこととか」