365日のラブストーリー
桃の味のアイスを一粒食べたあと、心暖は上機嫌だった。しばらくのあいだ保育園の友人の話を有紗に聞かせていたが、薬が効いてくると、うとうとと瞼が下がってくる。
完全に寝息を立て始めるのを待ってから、有紗と千晃は子ども部屋をあとにした。
ダイニングに戻ると、千晃が温かいコーヒーを用意した。テーブルを挟んで向かい側に座る。まじまじ見ると、心暖と目元がよく似ている。それなのに雰囲気がまるで違うのは、母親似の部分なのだろうか。
見たことすらない女性の顔をぼんやりと想像していると、千晃が口を開いた。
「やっぱり、有紗ちゃんに来てもらって良かった。心暖に『くすり』って言うとすぐに拒絶反応起こすし。でも、おかげさまですんなり」
「いえそんな。ただ、早く元気になって欲しいなって」
なんとなくくすぐったくて視線を彷徨わせる。そんな感情をすくい取るように、千晃が顔を覗き込んできた。ふと詰められた距離に、鼓動が速くなる。
完全に寝息を立て始めるのを待ってから、有紗と千晃は子ども部屋をあとにした。
ダイニングに戻ると、千晃が温かいコーヒーを用意した。テーブルを挟んで向かい側に座る。まじまじ見ると、心暖と目元がよく似ている。それなのに雰囲気がまるで違うのは、母親似の部分なのだろうか。
見たことすらない女性の顔をぼんやりと想像していると、千晃が口を開いた。
「やっぱり、有紗ちゃんに来てもらって良かった。心暖に『くすり』って言うとすぐに拒絶反応起こすし。でも、おかげさまですんなり」
「いえそんな。ただ、早く元気になって欲しいなって」
なんとなくくすぐったくて視線を彷徨わせる。そんな感情をすくい取るように、千晃が顔を覗き込んできた。ふと詰められた距離に、鼓動が速くなる。