365日のラブストーリー
人生最大の難所は就職活動だったが、浪人になる一歩手前で宇美に拾ってもらった。いまは、外部の面倒ごとから守られながら仕事ができる、恵まれた環境にいる。
仕事中もプライベート同様にマイペースでいられるから、裏も表もない。
あるのは料理歴が浅いだとか、実は着痩せしているだとか、悪い意味での意外性だ。
(考えれば考えるほど、魅力が……)
知らず知らずに吐き出していたため息に、千晃が反応した。
「どうした?」
「いえ、なんでもないです。すみません」有紗は慌てて笑顔を取り繕った。
「本当は辛すぎたと思ってるんじゃね」
どうやら千晃はこのトマト煮込みの出来に嘆いていると思ったらしい。心の内側を読まれなかったことにほっとして、話を合わせる。
「ちょっとやりすぎちゃったかもですね。唇が痛くって。森住さん的にこれはありですか?」
仕事中もプライベート同様にマイペースでいられるから、裏も表もない。
あるのは料理歴が浅いだとか、実は着痩せしているだとか、悪い意味での意外性だ。
(考えれば考えるほど、魅力が……)
知らず知らずに吐き出していたため息に、千晃が反応した。
「どうした?」
「いえ、なんでもないです。すみません」有紗は慌てて笑顔を取り繕った。
「本当は辛すぎたと思ってるんじゃね」
どうやら千晃はこのトマト煮込みの出来に嘆いていると思ったらしい。心の内側を読まれなかったことにほっとして、話を合わせる。
「ちょっとやりすぎちゃったかもですね。唇が痛くって。森住さん的にこれはありですか?」