クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「無防備で投げやりなとこもそそられる」
「言われたことない」
ムキになって反論する。
だっていつも私はしっかりしていて隙がなくてそこが可愛くなくて、男性にモテない理由のひとつだから。
「誰もいない部屋に男を上げて、このまま襲っちゃうよ。キス寸前なのに平気な顔してるし」
「してないっ!」
突き飛ばしてやろうと手を出したら、逆に押さえ付けられてしまった。
「俺になびかなくて、どこか抜けてるお前と一緒にいたら楽なんだ」
「それ褒めてるの?いやみ?」
「最大の誉め言葉。俺は優しいよ、キスしていい?」
怒るよりあきれてしまう。
図々しいわー。イケメンは何をやっても許されると思うなよ。
「あのですねー」
反論する前に私のポケットの携帯が鳴る。誰だろう。覗き込む長田さんを遮って見ると大下さんからの電話だった。
「もしもし?」
『玲菜さん?昨日は楽しかったありがとう』
「こちらこそ、昨日はごちそうさまでした」
長田さんが私の言葉に反応してわざと甘えた風に抱きついてくるので、遠慮なくグーでみぞおちを殴って彼の身体から抜け出した。