クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!

「おつかれー」
悪びれもなく長田さんはそう言い
「昨日はどうも」と大下さんは顔をひきつらせた。

どう考えても
あまりいい雰囲気とは思えない。

「えーっと……コーヒーの用意をしますね」
台所に逃げ豆をゴリゴリ挽いて心を落ち着かせる。
昨日から心が落ち着かない
私の穏やかな週末を返して欲しい。

「抜け駆けですか?」

「俺は婚約者だから」

「それ彼女は否定してますから」

「そっちは何?なんで来たの?」

「趣味の悪い車があったから気になって」

「ストーカーってやつ?」

「どっちが?」

会話がギスギスしてる。戻りたくない。
人の家でそんな会話しないでよ。昨日しっかり断ったのに。

コーヒーを持って戻ると二人の目がすがるように私を見つめていた。

いい大人がそんな目をしないでよ。

「はっきり言います。私はどちらともお付き合いしません。帰って下さい」
乱暴にカップを並べて宣言すると長田さんのメガネの奥の目が鋭くなる。

「これからの可能性はどうだ?」

「え?」
可能性って何?

「まずは友達からもありえますか?」
大下さんの心地よい優しい声が私を直撃する。

じーっとイケメン達が私を見る。
かなりの迫力。顔がいいってやっぱり怖い。

「友達ですか?友達は……ありだと思います」
小さな声でそう言うと、男達は同時にうなずき顔を見合わせた。

いやな展開になりそうな予感がたまらない。

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