羊かぶり☆ベイベー
「みさおは、それで良かったの?」
「……うん。誰かがついていれば、平気かなって」
「そういうことじゃなくって」
先程から問い詰めてくる汐里の表情は、真剣で。
笑って誤魔化せない雰囲気だった。
それも、そうか。
こんな話題、笑って話せる方がどうかしている。
汐里は、こんなにも真剣に聞いてくれているのに。
なんて私は、浅はかなんだろう。
汐里自身には、何の関係も無いことなのに、まるで自分のことの様に気に掛けてくれているのに。
それなのに、私は。
「みさおの気持ちは、本当にそれで良かったのか、って意味で聞いてるの」
「うん」
短く答えたものの、正直、分からない。
でも、きっと良い訳は無い。
だって、ユウくんの現在の彼女は、一応、仮にも私な筈なのだから。
このままでは、私が彼にとってどんな存在なのかが、いよいよ分からなくなってしまう。
ユウくんの私に対する気持ちを知ってから、もっとお互いを分かり合っていきたいと、私からも好きになろうと頑張って。
せっかく行動にも移し始めることが出来ていたのに。
いよいよ目標を見失ってしまったら、今までの努力も全て水の泡。
もう一度、何とか持ち直さないとユウくんとも、もう二度と向き合えなくなるような気がした。
上手く整理が着かず、悶々と悩む私に汐里は突っ込む。
「全然、良さそうな顔してないけど?」
「そう、かな」
「私にはそんな風に見えるけど。もしかしてだけど、その、みさおの『代わり』に看病してた人って、女性?」
「……っ」
一番痛いところを言い当てられ、言葉に詰まる。
「……そういうことね」
「……汐里には、本当に隠し事、出来ないなぁ」
苦笑いで返す。