羊かぶり☆ベイベー
「え……?」
「何かあったら、何だって相談してよって、私言ってたのに」
汐里のやや厳しめの口調と、確かに言われた台詞とが相まって、言葉の裏にある彼女の気持ちが見えた気がした。
それが、胸に刺さる。
きっと、汐里はここ最近、落ち込んでいた私に、ちゃんと気付いてくれていたのに。
「あ、ごめ……」
「分からなくなるほど、悩んでたなら、そうなる前にちゃんと言ってほしかった」
私にとっては意味のある謝罪も、汐里からすれば、無意味なんだろう。
容易に遮られてしまった。
でも、今の私に言えることなんて、このくらいしか思い浮かばない。
そしてお互い、無言になってしまった私たちは、気まずくなり、うつ向く。
何だか私、いろんな人と気まずい雰囲気になってしまっている。
その気まずくなるまでの過程は、相手を無視した、ほとんどが勝手な自己嫌悪。
だいたい私が原因で、自業自得だと分かっている。
そう気付けたからこそ。
こんなにも、想ってくれる人が居たのに。
──こんなことばかり続けていたら、私いつか本当に1人になってしまう。
今一度、顔を上げても、汐里はうつ向いたままだ。
傷付けてしまった。
心が傷んだ。
「ごめんね」
私の声に汐里が反応してくれた。
性懲りもなく、謝ることしか思い付かない。
それでも、汐里と出来る限り、いつまでも良い関係で居たくて。
繋ぎ止めたくて。
何もしないよりは、一度駄目だった方法だとしても、足掻いた方が良いと思った。