自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
目を瞬かせるセシリアに、イザベルは横髪を指先で払うと、クスリと笑って言った。
「十五時半からよ。皆さんをお待たせしているのだから、謝ってね」
受け取った招待状には、十六時開始と書かれていた気がしたのだが……見間違えてあっただろうかとセシリアは思い、非を認めてイザベルに謝罪した。
「開始時間を間違えてしまったわ。イザベル、遅れてごめんなさい。お待たせした皆さんにも謝るわ」
「そうしてちょうだい」と言ったイザベルは満足げに頷くと、セシリアを案内して廊下を進む。
着いた部屋は、この屋敷で一番広い応接室。
使用人が開けてくれたドアから中に入れば、グランドピアノが最奥に置かれ、それを囲うように半円を描いた椅子が二列に並べられていた。
その客席には、色とりどりのドレスを着た若い貴族令嬢たちが二十二人、座って待っている。
今日の集まりは、ピアノサロンである。
国内で活躍している有名なピアニストを招いて演奏を聴き、その後は音楽について語らいながらお茶とお菓子を皆で楽しむのだ。
「十五時半からよ。皆さんをお待たせしているのだから、謝ってね」
受け取った招待状には、十六時開始と書かれていた気がしたのだが……見間違えてあっただろうかとセシリアは思い、非を認めてイザベルに謝罪した。
「開始時間を間違えてしまったわ。イザベル、遅れてごめんなさい。お待たせした皆さんにも謝るわ」
「そうしてちょうだい」と言ったイザベルは満足げに頷くと、セシリアを案内して廊下を進む。
着いた部屋は、この屋敷で一番広い応接室。
使用人が開けてくれたドアから中に入れば、グランドピアノが最奥に置かれ、それを囲うように半円を描いた椅子が二列に並べられていた。
その客席には、色とりどりのドレスを着た若い貴族令嬢たちが二十二人、座って待っている。
今日の集まりは、ピアノサロンである。
国内で活躍している有名なピアニストを招いて演奏を聴き、その後は音楽について語らいながらお茶とお菓子を皆で楽しむのだ。