自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
まるでセシリアに賞賛の拍手が浴びせられているかのようで、イザベルはますます面白くない顔つきになる。
遅刻によって、セシリアが皆に非難されることを期待していたのならば、とんだ計算違いで、不愉快になるのは無理もない。
しかしイザベルはすぐに笑顔を取り戻し、大きく手を二度叩いて皆を静かにさせると口を開いた。
「挨拶はこの辺にして、ピアノサロンを始めますわよ。先ほど皆さんにお伝えした通り、今日お招きする予定でしたコンセール氏は、急病でお越しになれません。ですので、代わりにわたくしとセシリアが、演奏いたします」
「えっ!?」とセシリアは驚いて、隣を見た。
イザベルはなにか問題でもあるのかと言いたげに、小首を傾げて微笑んでいるだけで、突然の演奏の要求を悪びれる様子はない。
最近は悪事を企むことに必死で、ピアノの練習をさぼり気味であったため、セシリアは困り顔になる。
皆の前で弾かなければならないのなら、少しは練習してくればよかったと不安に思い、「楽譜を持ってきていないわ」と、それを口実に断ろうとした。
遅刻によって、セシリアが皆に非難されることを期待していたのならば、とんだ計算違いで、不愉快になるのは無理もない。
しかしイザベルはすぐに笑顔を取り戻し、大きく手を二度叩いて皆を静かにさせると口を開いた。
「挨拶はこの辺にして、ピアノサロンを始めますわよ。先ほど皆さんにお伝えした通り、今日お招きする予定でしたコンセール氏は、急病でお越しになれません。ですので、代わりにわたくしとセシリアが、演奏いたします」
「えっ!?」とセシリアは驚いて、隣を見た。
イザベルはなにか問題でもあるのかと言いたげに、小首を傾げて微笑んでいるだけで、突然の演奏の要求を悪びれる様子はない。
最近は悪事を企むことに必死で、ピアノの練習をさぼり気味であったため、セシリアは困り顔になる。
皆の前で弾かなければならないのなら、少しは練習してくればよかったと不安に思い、「楽譜を持ってきていないわ」と、それを口実に断ろうとした。