初めまして、大好きな人



よく分からないけれど難しそう。


私も大学に進学する予定だったけれど、
結局ダメになったしなぁ。


なんだか遠い存在のように思えてきた。


「じゃあ恋愛遍歴は?」


尚央は一瞬、表情を曇らせた。
何か嫌な記憶でもあるのかな。
ちょっと黙った後、尚央は口を開いた。


「俺に恋愛遍歴はない。
 好きになった子は一人だけだ」


それってもしかして……。


日記の中で好きだと告げていた尚央を思い出す。
こんなにイケメンな彼が、
今まで付き合ったこともなければ、
好きになったのも私一人だけなんて。


嬉しいのかなんなのか分からない。
でも多分これは、嬉しいんだ。


「嘘ついてない?本当にそうなの?」


「お前には嘘つかないよ。本当だ」


「そうなんだ。へぇ……」


なんだか口元が緩んでしょうがない。
そんなことをさらっと言ってのける尚央はやっぱり大人だ。


恥ずかしげもなく言うんだから。



それから私はいろんな質問をしていった。


尚央は嫌がることなく質問に答えてくれた。


それから尚央の好きな音楽の話をして
曲を聴きながら時間が立ち、
随分経って眠くなってきた頃、
遊園地にたどり着いた。


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