恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「もしもし、佐久間ですが」
『久城総合病院です。実は先ほどからおばあさまの容態が……。意識をなくされていらっしゃるんです』
「えっ!? 意識が!?」


どうして!と焦る。この前会ったときには元気で、もうすぐ退院できるだろうと思っていたのだから。


「これからすぐに行きます!」


慌てて電話を切って振り返った梓を、一樹が「なにかあったのか?」と心配そうな目で見つめる。


「あの、あの、えっと……」


動揺して言葉にもならない。
そんな梓の肩に一樹の手が置かれる。


「落ち着け」


一語一句ゆっくり言われ、梓は深呼吸をした。


「入院している祖母の容態が……。意識がなくなってしまったみたいで」
「わかった。送っていくから乗って」
「えっ、ですが」
「いいから早く」

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