恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
それはすぐに離れたが、梓は身体を硬直させた。
「高さのおかげでキスもしやすくなった」
いたずらっぽい目をした一樹を見て、梓の胸が高鳴る。
「わ、私、なにかペナルティになるようなことを言いましたか?」
「いいや。今のはそのパンプスのお礼」
ニッと唇の端を上げた一樹は、梓の頬を軽く撫でた。
と、そこで梓のスマートフォンがバッグの中で賑やかな音を立て始める。
「ちょっとすみません」
そう断ってから取り出すと、それは病院からの着信だった。
(えっ、おばあちゃんになにかあったの?)
嫌な予感が梓の胸をかすめる。
一樹に背を向けて数歩離れ、スマートフォンを耳にあてる。