恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

戸惑う梓を助手席に乗せ、一樹は素早く車を発進させた。


「病院はどこ?」
「久城総合病院です」
「……久城総合病院?」


間をあけてから一樹が聞き返す。


「はい、そうです。実は一年前に弁膜症の手術を受けて。手術のときに不整脈を治す処置もしてもらったのですが、それが再発してしまって……」
「アブレーション?」
「……え?」
「不整脈の処置」


言われてみれば、そんな名前だったような気もする。


「そうだと思います」


でもどうして一樹がそんな言葉を知っているのだろう。疑問に思ったが、幅広い知識を必要とするであろう社長職なら当然なのかもしれないと思いなおした。

(おばあちゃんにもしものことがあったらどうしよう……)

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