恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
カーテンを開けると、そこに血圧を測定中の看護師の姿があった。
「祖母の容態はどうなんでしょうか」
「今は安定しています。日中のうちから吐き気を訴えていたんです。夕方になって急に意識を失って」
看護師は淡々と説明しながら血圧を測り終え、「今、先生をお呼びしますね」と病室を出ていった。
椅子を引き寄せて座り、梓は多香子の手を取った。
「おばあちゃん、目を覚まして。梓よ」
いつもより冷えた手を撫で、懸命に温める。顔色も優れないように見えた。
ここへ来る途中に陽子に連絡を入れたが、今夜は予約のグループ客がいて、閉店までは病院へこられないらしい。
梓の肩に一樹の手が置かれる。洋服越しでも感じる温もりが、梓をホッとさせた。
そうしているうちに病室のドアが開く音がし、カーテンがシャーッと開けられる。多香子の主治医である久城だった。
「先生……!」