恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「いいじゃない、梓。夜景がとっても綺麗らしいわよ」
「お母さんも行く?」
三人ならいいかと思ったが、陽子は「私が行ったらお邪魔でしょ。ふたりで行ってらっしゃい」と大いに盛り上がる。
どちらかと言えばロマンチックな場所に、友達になったばかりの遠藤と行くのはどうしたって気が重い。
そうでなくても梓は、男性とふたりというのは一樹以外ではないのだから。
「行きましょう、梓さん」
遠藤にニコニコと微笑まれ、NOとは言えなかった。
「明日も早いので少しだけなら」
仕事を理由に早く返してもらう魂胆だった。
「そう言わずにゆっくりしてらっしゃい。お母さんが明日の朝、ちゃんと起こしてあげるから」
余計なことは言わないでほしいと目で言ってみるが、当然ながら陽子がその視線に気づくはずもない。なにしろ梓に男性を紹介した高揚感でいっぱいだからだ。