恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「部屋って、ホテルの部屋ですか?」
「それ以外になにがある?」


言われてみれば、たしかにそうではある。


「一樹さん、今夜はここに泊まられるんですか?」


さっきラウンジで少しの間姿が見えなかったのは、チェックインを済ませてきたのか。


「梓も一緒にね」
「……はい?」


これには梓の目が点になった。
友里恵の目をごまかすために、一樹とはひと晩過ごしたことがある。なにもなかったとはいえ、またあの夜のように一緒にいるのかと想像すると、梓の胸はドクンと弾んだ。

一樹への気持ちがあるのとないのとでは、心のあり方が全然違う。


「三島さんですか?」
「……さっきから三島三島と言うけど、三島がいったいなんだって?」


一樹が少しだけ苛立ったように見え、「ごめんなさい」と咄嗟に謝る。

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