恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「……あの、あんまりからかわないでいただけないでしょうか?」
一樹にしてみれば会話の流れで出た何気ないひと言なのだろうが、梓には強烈な褒め言葉として胸に突き刺さる。いい女風に〝ありがとう〟と言って聞き流せない。
「からかってるつもりはないぞ。それとさっきも言ったけど、その言葉づかいはなんとかならないか?」
「そうおっしゃられましても……」
こう話す以外にどうすればいいというのか。相手は社長だ。
「よし、こうしよう。今後、俺を社長と呼んだり妙な言葉づかいをしたりしたときには、ペナルティを科す」
「ペナルティですか?」
いったいなにをどう科すのだろう。
(罰金だとか、反省文だとか……? 社長に払うのだとしたら、一回百円なんて子ども騙しの金額じゃないだろうな。一度に千円だったら、あっという間に一万円の罰金になりそう。それなら反省文の方がいいかもしれない)
梓がハラハラしながらあれこれ考えていると、一樹はとんでもないことを言い放った。