恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「お酒弱いんです」
もともと梓は、それほど飲めるタイプではない。グラスビール一杯でも身体がふらふらするくらいだ。
「なんだ。それならそうと言わなきゃわからないだろ」
「……すみません」
顔を覗き込んだ一樹を見上げた。目が潤むのもアルコールのせいだろう。
「……と、とにかく出るぞ」
一樹は軽く咳払いをしてから、梓の肩を抱いて支えた。
「歩けるか?」
「はい、歩けます」
一樹に腰に腕を回されたままラウンジを出る。
ふわふわした心地なのは、お酒のせいなのか。それとも、ふかふかの絨毯の上を歩いているからなのか。
身体に力が入らないため、一樹にぴったりと寄り添う以外になく、そのせいもあるのかもしれない。