恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
ぐんと上がった視界が、これまでの位置よりかなり高い。
ヒールを履いた梓の身長は百七十五センチを優に超えているはずだが、隣に立った一樹はそれよりもまだ高かった。
「見てごらん」
そう言われておずおずと鏡を見る。
するとそこには、すらりとした自分の姿が映っているではないか。膝から下がものすごく長く見える。
高級ブランドの赤いハイヒールのおかげで、そこそこの値段だったワンピースが洗練して見えるから不思議だ。
「お客様は手足が長く、スタイルがとても良いですから、このパンプスがとても映えますね」
「そ、そうでしょうか……」
そんなことを言われるのは初めてだ。
これまでは、どうしたら背が低く見えるかを最優先に選んできたから。
「よく似合ってる」
鏡越しに一樹が微笑む。
「……ありがとうございます」