恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

一樹自身でも、大満足のデザインなのだろう。自信ありげに笑った。

豪華なソファに並んで腰を下ろすと、ほどなくしてドリンクが運ばれてくる。
一樹が前もって頼んでおいたのだろうか。フレッシュジュースと有名な高級チョコレートだ。

一樹は運転、梓はこの前のように酔っては困るという計らいで、ジュースを選んだのだろう。
ほかにもなにか必要か尋ねられ、梓は思わず「ポップコーンをください」とねだった。やはり映画といえばはずせない。

それを見て、一樹はクスッと笑った。

スクリーンに映画の予告編が始まり、いよいよ鑑賞タイムがスタートする。
ラグジュアリーなスペースで映画を観るのは初めて。梓は最初こそ落ち着かずにどこかそわそわしていたが、次第に映画に引き込まれていった。

そうして中盤あたりまできたとき、ふと一樹に手を握られていることに気づく。いつからだったのか、映画に集中していたため、まったくわからなかった。

(手を握られていても気づかないなんて、私の神経はどうなってるの?)

しかも〝恋人つなぎ〟だ。指を絡められても感じないとは。
そうして手をつながれていることを知ってからの梓は、今度は映画が目にも耳にもまったく入らなくなった。ドキドキと高鳴る胸をどうにも抑えられない。

< 92 / 301 >

この作品をシェア

pagetop