恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
一樹自身でも、大満足のデザインなのだろう。自信ありげに笑った。
豪華なソファに並んで腰を下ろすと、ほどなくしてドリンクが運ばれてくる。
一樹が前もって頼んでおいたのだろうか。フレッシュジュースと有名な高級チョコレートだ。
一樹は運転、梓はこの前のように酔っては困るという計らいで、ジュースを選んだのだろう。
ほかにもなにか必要か尋ねられ、梓は思わず「ポップコーンをください」とねだった。やはり映画といえばはずせない。
それを見て、一樹はクスッと笑った。
スクリーンに映画の予告編が始まり、いよいよ鑑賞タイムがスタートする。
ラグジュアリーなスペースで映画を観るのは初めて。梓は最初こそ落ち着かずにどこかそわそわしていたが、次第に映画に引き込まれていった。
そうして中盤あたりまできたとき、ふと一樹に手を握られていることに気づく。いつからだったのか、映画に集中していたため、まったくわからなかった。
(手を握られていても気づかないなんて、私の神経はどうなってるの?)
しかも〝恋人つなぎ〟だ。指を絡められても感じないとは。
そうして手をつながれていることを知ってからの梓は、今度は映画が目にも耳にもまったく入らなくなった。ドキドキと高鳴る胸をどうにも抑えられない。