恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「もらうよ。ちょうだい」
「……これでいいんですか?」
「バッグに携帯しているくらいだから梓の好きな食べ物なんだろう? それなら、ぜひ食してみたいね」


梓の動きがそこで止まる。

この人は、なんでそんなことをサラッと言えるのだろうか。梓が気にしている欠点は大したことじゃないと思わせられる。

買ってもらったハイヒールのパンプスもそう。一樹の身長が高いのもあるだろうが、背の高さなんて些細なコンプレックスだと思えた。
それも、『小柄とはいえないけど』と、事実も正直に言ってくれる。嘘で繕ったりしないのだ。

梓は胸の奥が、なにやらうずいて仕方がなかった。


「なんだこれ」
「……お口に合いませんか」


やはり一樹にとっては〝ババくさい〟食べ物だったか。
不安いっぱいに梓が一樹を見ると、その横顔には満面の笑みが浮かんでいた。


「いや、うまい」
「ほんとですか!?」


梓の顔がパッと華やぐ。

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