恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「ほどよい酸味がいいね」
「そうなんです! ここの酢昆布は上質で肉厚の昆布で、噛めば噛むほどうまみが出てくるんです!」
思わず力が入った。
酢昆布のおいしさを共有できる人に巡り合えたのは、同年代で初めてだ。これまでは食べてももらえず、食べたとしても微妙な反応をされ続けてきた。
心が躍るとは、こういうことを言うのだろう。うれしくてたまらない。
「もうひとつくれ」
「もちろんです! よかったら、これ全部差し上げます。私、自宅にストックがたくさんあるので」
一樹は楽しそうに肩を揺らして笑った。